物販で赤字が続く人のほとんどは、「感覚」で数字を見てしまっています。
「なんとなく利益出てそう」「これくらいなら大丈夫でしょ」とどんぶり勘定で進めてしまうと、気づいたら在庫は増えているのにお金は残らない…という状態になりがちです。
逆に言えば、原価計算と利益率の考え方さえ押さえられれば、商品リサーチの段階で“危ない案件”をかなりの確率で避けられます。
この記事では、「原価計算の基本」と「初心者がハマりやすい3つの落とし穴」を、できるだけ噛み砕いて解説していきます。
Amazon OEMではなぜ原価計算が物販副業の生命線なのか

物販で利益が残るかどうかは「仕入れる前にどれだけ数字をシミュレーションできているか」でほぼ決まります。
どれだけ良い商品を見つけても、原価が高すぎたり、見落としているコストが多かったりすると、販売を始めた瞬間から“じわじわ赤字”が進行していきます。
特に初心者は経験が少ないぶん、送料や手数料、税金などの抜け漏れが起こりやすいです。
だからこそ、まずは「原価とは何が含まれているのか」「どれくらいの利益率を目標にすべきか」を、土台から整理しておくことが大切です。
原価とは?5つのコストをまとめて見るのが基本
原価と聞くと「工場に払う商品代金」とだけイメージしがちですが、実際にはもっと多くの項目がセットで関わっています。
ここを正しく分解して理解しておかないと、「商品代は安いのに、なぜか利益が残らない」という謎現象に悩まされることになります。
まずは原価の“中身”が何で構成されているのかを整理し、その合計額をもとに利益率を考える癖をつけていきましょう。
商品代金と国際送料
原価のベースになるのが「商品代金」です。
工場に支払う製造費用で、ここが安く抑えられるほど利益の余地が広がります。
そこに加わるのが「国際送料」です。
中国から日本に送る際は、次のどちらか大きい方で送料が計算されます。
- 実重量(実際の重さ)
- 容積重量(体積を重さに換算した値)
軽くても大きい商品ほど容積重量が重くなり、国際送料が跳ね上がります。
ここを見落としていると、シミュレーションの段階では黒字でも、実際に送料を出してみたら一気に赤字…ということが簡単に起こります。
Amazon手数料・税金・国内費用も必ず含める
さらに原価に含めるべき主なコストは次の通りです。
- Amazonの販売手数料(カテゴリーごとの%手数料)
- FBA出荷手数料(サイズ・重量ごとに変動)
- 関税
- 輸入消費税(原則10%)
- 中国国内送料(工場→現地倉庫)
- 検品代行手数料・梱包費用などの雑費
初心者がよくやってしまうのが「商品代金と国際送料だけ見て、あとはなんとなくで計算する」パターンです。
けれど実際の利益に効いてくるのは、むしろ手数料・税金・国内送料などの“その他諸々”。
この合計まで含めて初めて「本当の原価」が見えてきます。
目標利益率は35%を基準に考える
原価の中身が分かったら、次に考えるべきは「利益率をどれくらい取るか」です。
ここが甘すぎると、値下げや広告、予期せぬ送料アップが起きた瞬間に、一気に赤字に転落してしまいます。
初心者ほど、この“利益率の基準”を決めずに進めてしまいがちなので、最初にラインを決めてしまうのがおすすめです。
粗利率35%を目指す理由
例えば販売価格1,000円の商品なら、粗利35%だと350円が粗利です。
ここからさらに、
- 広告費
- プロモーション
- 不良品・返品リスク
- 自分の人件費、固定費
などが差し引かれていきます。
粗利が20〜25%しかないと、少し値下げしただけで“ほぼタダ働き状態”になりかねません。

諸々のコストを含めたうえで30〜35%は確保できる商品だけを残していく、という基準が大事
「商品代金はいくらまで許されるか」の目安を持つ
たとえば、マーケットを見て「この商品はどう頑張っても1,000円くらいでしか売れない」と分かっているなら、
- 商品代金+国際送料で300〜350円まで
- Amazon手数料とFBA出荷で600円前後
- 残りが粗利
といったざっくりの目安を最初に持っておくと判断が早くなります。
商品代金がすでに販売価格の半分近くに達しているなら、その時点で「この案件は厳しい」と切り捨てる勇気も必要です。
Amazon OEMの送料とサイズで一気に赤字化する典型パターン


原価計算で見落とされがちなのが「サイズと重量まわり」のコストです。
とくに初心者は、商品ページの“見た目”だけを見て判断してしまい、「軽そうだから大丈夫だろう」と思って仕入れてから送料を知り、青ざめる…というケースがよくあります。
この章では、「どんな商品が送料爆発を起こしやすいのか」「どこを事前にチェックすべきか」を解説していきます。
大きくて軽い商品で送料が跳ね上がるリュックの例
リュックのように「サイズは大きいけれど重さはそれほどでもない」商品は、典型的な“送料トラブル予備軍”です。
見た目にはそこまで大きく感じなくても、実際に段ボールに詰めると、容積重量が実重量を大きく上回ることがあります。



ここをきちんと計算せずに「まあこのくらいかな」と見積もると、国際送料の請求書を見て一気に利益が吹き飛びます
実重量と容積重量の違いを必ず理解する
リュックの事例では、
- 実重量:1.5キロ
- 容積重量:7.5キロ
というように、容積重量のほうが圧倒的に大きくなっていました。
さらに160サイズの段ボール1箱にリュックが3個しか入らない場合、
- 1箱あたりの国際送料:3,500〜4,000円
- 1個あたりの送料:1,200〜1,300円
という計算になります。
この1,200〜1,300円が“原価”に乗ってくるので、商品代金が安くても、トータルではまったく利益が残らない…という状況になってしまうわけです。
「軽いのにかさばる商品」は要注意
折りたためないボックスや大きめの収納グッズなども、同じような罠にハマりやすいです。
軽い=送料が安いではなく、
- 軽いけれど大きいもの
- 段ボールにたくさん入らないもの
は、容積重量によって送料が跳ね上がる可能性が高い、と覚えておきましょう。
細長い商品でFBA出荷手数料が高騰する三脚の例
もうひとつの典型パターンが「細長い商品」です。
三脚や傘のように、そこまで重くはないけれど長さがある商品は、中国から日本までの国際送料はそこまで高くなくても、その後の「FBA出荷手数料」で大型扱いになってしまうケースが多くあります。
ここを見落とすと、「中国から運ぶコストは安かったけど、Amazonからお客さんに送るコストが高すぎて赤字」という状態になります。
中国→日本は安くても、FBAで大型扱いになる罠
三脚の例では、
- 中国から日本までは1本あたり340円程度で送れる
- ただし長さが100センチを超えると、FBA出荷手数料が一気に大型区分へ
という問題がありました。
80サイズなら510円で送れるところが、100サイズを超えると950円前後まで跳ね上がるイメージです。差額は400円以上。
この差額がそのまま利益を削っていくため、事前シミュレーションでここを見落としていると、販売開始後に「思っていた利益が全然残らない」ということになります。
サイズ区分を前提に「売れる価格帯」を考える
長尺商品の場合は、
- 国際送料(中国→日本)
- FBA出荷手数料(日本国内配送)
の両方をセットで見積もる必要があります。
「1本あたりの国際送料は安いから大丈夫」と思っても、日本国内で大きく扱われるとトータル原価は一気に重くなります。
商品リサーチの段階で、必ず寸法と重量を確認し、シミュレーターに入れてみることが大切です。
Amazon OEMで初心者が必ず押さえたい3つの落とし穴対策


ここまで見てきたように、原価計算のミスは「見落としているコスト」から生まれます。
逆に言えば、落とし穴になりやすいポイントを事前に押さえておけば、赤字リスクをかなり減らせます。
この章では「初心者が必ずチェックしておきたい3つの対策」を整理していきます。
どれも難しい計算ではないので、商品リサーチのチェックリストに組み込んでしまうのがおすすめです。
FBA手数料のサイズ区分を事前にチェックする
最初の落とし穴は「FBAのサイズ区分を見ていない」ことです。
同じ商品でも、梱包後のサイズによって手数料が数百円単位で変わります。
特に80サイズと100サイズの境目は、まさに“崖”のような差があり、ここを超えると一気に手数料が高くなります。
原価計算をするときは、必ず梱包後のサイズを想定し、サイズ区分がどこに当たるのかをチェックしておく必要があります。
80サイズと100サイズでは数百円の差が出る
例として、
- 80サイズ:510円
- 100サイズ:950円
というイメージで話がありました。
この差は約400円以上。
1個売れるごとに400円ずつ利益が削られると考えると、いかにこの区分が重要かが分かると思います。



「あと数センチだけ小さくできれば、サイズ区分を一段下げられる」という状況なら、梱包の見直しで利益率が一気に改善する可能性がある
梱包見直しで「ワンランク下」を狙う
実際に、梱包サイズを工夫することで、ワンランク下のサイズ区分に収め、一本あたり400円削減できた事例も紹介されていました。
ポイントは、
- 無駄なスペースを減らす
- パッケージデザインよりも“サイズ優先”で考える
- 次回発注のタイミングで箱サイズを見直す
ということです。
一度決めた梱包を絶対に変えてはいけないわけではないので、数字的に厳しいと感じたら、次のロットから改善していく意識を持つと良いです。
箱詰めの最適化で1個あたりの国際送料を下げる
2つ目の落とし穴は「箱詰めの個数を何となくで決めている」ことです。
国際送料は、段ボール1箱いくらという単位で決まることが多くその箱に何個商品を入れられるかで、1個あたりの送料が変わります。
ここを最適化できていないと、必要以上に送料を払ってしまい、結果的に原価を押し上げてしまうことになります。
2個→3個になるだけで一気にコストが下がる
例えば、
- 1箱に2個しか入れていない場合:1個あたり1,200円
- 詰め方を工夫して3個入るようにした場合:1個あたり1,000円
といった変化がよく起こります。
単価差は200円ですが、100個単位で見れば2万円の差。
1,000個規模になれば20万円の差になります。
このように「箱に何個入るか」を工夫するだけでも、長期的には大きなインパクトになります。
工場やフォワーダーに“最適な詰め方”を必ず相談する
自分だけで悩まず、実際に発送を担当する工場やフォワーダーに「この商品なら何個ずつ入れるのがベストか」を必ず確認しましょう。
向こうはプロなので、最適な箱サイズや詰め方を提案してくれることが多いです。
想像だけで計算するのではなく、
- 段ボールのサイズ
- 1箱あたりの入り数
- そのときの総重量
を具体的に聞いて、そこから1個あたりの国際送料を割り出すようにすると、見積もりの精度が一気に上がります。
最低販売価格と仕入れ上限を逆算するクセをつける
3つ目の落とし穴は「先に仕入れを決めてから、あとで販売価格を考える」ことです。
これをやると、原価が高くなりすぎているのに気づくのが遅れてしまい、値下げもできず、広告も打てず…という状態になります。
正しい順番はその逆で、「目標粗利率を決める→最低販売価格を決める→仕入れ上限を逆算する」という流れです。
目標粗利率から販売価格を逆算する簡単な式
例えば、すべての原価を合計して2,000円だったとします。
ここで粗利30%を取りたいなら、
- 2,000円÷0.7=2,860円
という計算になります。
この2,860円が「最低でもこれくらいで売りたいライン」です。
あとは、実際の市場を見ながら「上位20商品の平均価格」がどれくらいかを確認し、自分がその価格帯に入って戦えるかをチェックします。
市場価格とズレていないか必ず確認する
よくある失敗は、
- 自分の頭の中だけで「2,860円で売ればいい」と決めてしまう
- 実際の市場は2,000円前後が当たり前
- 結果として、まったく売れない、もしくは値下げした瞬間に利益ゼロ
というパターンです。
頑張って作った商品ほど「ちょっと高くても売れてほしい」という気持ちが強くなりがちですが、お客さんは冷静に「価格とレビュー」で判断します。



まずは競合と同じか、少しだけ安い価格からスタートし、レビューがたまり、評価が高くなってきたタイミングで徐々に価格を上げていくという戦い方が現実的
まとめ
原価計算と聞くと難しく感じるかもしれませんが、やっていることは基本的な足し算・引き算・掛け算・割り算です
今回のポイントをもう一度整理すると、
- 原価は「商品代+国際送料+Amazon手数料+税金+国内費用+雑費」の合計で考える
- 粗利30〜35%を目標ラインにし、それを前提に仕入れ上限を決める
- 大きくて軽い商品・細長い商品は、容積重量やFBA手数料で赤字化しやすい
- FBAサイズ区分と一箱あたりの入り数を事前にシミュレーションする
- 最低販売価格と仕入れ上限を“逆算”するクセをつける
このあたりを押さえておけば、「あとで気づいたら赤字だった…」というパターンはかなり減らせます。
ここから先は、実際にいくつかの商品でシミュレーションしてみて、数字の感覚を体に染み込ませていく段階です。
何度か繰り返していくうちに、画面を見ただけで「これは利益が出る」「これは厳しい」と直感的に分かるようになっていきます!
ポイントをしっかり押さえていきましょう!











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