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一見して、自己肯定感が低いこととプライドが高いことは相反する事のように思われますが、実のところこの2つの要素は深い相関関係にあります。
自己肯定感が低いのにプライドが高い人は、周りから見るとめんどくさい人と思われがちで、「できれば関わりあいたくない」と思われることが多いです。
そんなめんどくさい自分を変えたいと悩んでいる人は、自己肯定感を高めてプライドを抑えることで、今よりもっと生きやすくなります。
そこで本記事では、自己肯定感が低くなる原因やプライドについて解説するとともに、自己肯定感を高くしてプライドを抑える具体的な改善方も提案します。
自己肯定感が低くなる原因
原因を知れば、自分をしっかりと見つめられるようになるでしょう。
- 過去のトラウマ
- 他人の目が気になる
- 完璧主義
- 褒められるのが苦手
- 頑張り屋さん・他人を頼れない
過去のトラウマ
・自分は何をやってもダメな人間だ
・どうせやっても無駄だから何もしない
と自己肯定感は低くなってしまいます。
幼少期に経験した出来事は特に人格形成に大きく影響する事から自己肯定感が低いままそこから抜け出すことが難しくなります。
さらに
- いじめにあった
- 大好きだった人に振られてしまった
- 大切な人との死別
- 仕事で大きな失敗をした
などの心に傷を負う経験は自己肯定感を低くするとともに、
もうこれ以上傷つきたくない!
これ以上ダメな人間になりたくない!
失敗して傷つきたくはない!
と心に高い壁を作り、自分の立場や状況を守ろうとします。
これがプライドです。
他人の目が気になる
本当は他人から認めてほしいと強く思っていますが、自分が自分を認められないので、ネガティブ思考であったり、他人への依存心が強かったりします。
誰かに認めてほしいので外面(そとづら)がよく、思ったことや感じたことを素直に言えず、周りの雰囲気や相手の感情を損ねないための発言をしがちです。
一見協調性が高くいい人のように感じますが、自分の言いたいことが言えずに自分の主張ができない性格なので、人間関係に疲れてしまいます。
完璧主義
言い方を変えてみると
完璧な自分 | 自分には価値がある |
さらにもっと言い方を変えてみると
完璧な自分ではない | 自分には価値がない |
という思考になっています。
私はうまくいって当然、失敗したら低評価。
自分に厳しいのは悪いことではないのですが、はたして世の中に完璧な人はいるのでしょうか?
いつでも完璧でなくてはいけない時点で、自分を否定し続けなくてはいけない生き方というのは、とてもシビアであり、ストレスが溜まりやすいですね。
自分を褒めて認めてあげることはとても大切です。
完璧主義を求めるなら、仕事だけに限定するなどの条件をつけるべきでしょう。
褒められるのが苦手
常にその場の状況や、相手の感情に合わせて自分を抑圧し、穏便に済ませるように心がけています。
- 浮かれてはいけない
- 褒められたけど、自分としてはまだまだだ。
- 自分だけが楽しい思いをしていていいのか?
- これくらいのことで感謝されたけど、当たり前のことをやっただけ
などの抑圧された思考が働きます。
常に自分を律して居住まいを正すのは素晴らしいことかもしれませんが、このままだと、自分のことを認めて、褒めてあげる機会がありません。
言葉に出して自分の素直な感情を伝えることは、自分も相手も幸せにします。
どうしても感情を表に出すことが難しければ、心の中では喜びをいっぱいに感じましょう。
頑張り屋さん・他人に頼れない
頑張り屋さんであることは素晴らしいことですが、どんなに大変な時でも全て自分だけで解決しようとして自分の劣等感を消そうとすることは自己肯定感が低いと言えます。
他人に頼ることは迷惑をかけてしまうこと思い込み、自分が頑張ればどうにかなりそうだと1人で抱え込むと、精神的にもストレスを溜めやすいです。
もっと周りを頼ってみんなで問題を解決する方がいいのに、、、
と周りに思われている可能性は大いにあるでしょう。
自己肯定感の高い人とは?
そもそも自己肯定感とは、自分を肯定できる感覚のことです。
自己肯定感の高い人とは、自分は自分であると認め、良いところも悪いところも全部自分を作る要素だと知っている人のことです。
もちろん他人との比較はせず、人は人、自分はこれでいいのだとありのままの自分を肯定できます。
自己肯定感は人間関係を築くうえで重要な役割を果たし、自分や他人へ与える影響も大きいでしょう。
自己肯定感の高い人は以下の特徴を持っています。
- 他人の評価を気にしない
- 失敗を恐れない
- 他人を尊重できる
- 自分の良い面を知っている
他人の評価を気にしない
特にマイナスな意見やネガティブな反論などに対して、まともに受け止めて傷つくのではなく、「なるほど、そういう意見もあるのね」と自分を冷静に客観視できます。
結果的に周りからの評価に対して必要以上に右往左往することがありません。
失敗を恐れない
すぐに失敗の原因を冷静に分析し、次のチャレンジに生かそうと前向きに考えます。
物事を肯定的に捉えることは、失敗に対しても落ち込みが少なく、新たなチャレンジに積極的に突き進む原動力になります。
他人を尊重できる
相手を尊重できない人は、苦手な相手(イヤな上司・仕事ができない部下・いい加減な人・など)に対してレッテルを貼り見下します。
非を認めさせたい・自分の正当性を通したいと思うと、自分の意見を押し付けてしまいがちです。
他人を尊重できる人とは、人はそれぞれに生きていることを知っている人です。
人はそれぞれ自分なりの動機で行動している |
人はそれぞれの価値観を持っている |
人はそれぞれに違う経験をしてきた |
人はそれぞれ生き方を選択してきた |
人はそれぞれ自分が主役であるべき |
- 相手も相手なりに一生懸命に生きている、自分と同じ人間である。
- 相手にも事情があり、自分にも至らない点はあるかもしれない。
このような思考を持つと、相手との対等な関係性が築けて、相手からの信頼も厚くなります。
また、相手を尊重できないことは、自分も尊重できないと脳科学者の茂木健一郎さんも言及しています。
要約すると
”例えば日本人は、スポーツの国際試合などで対戦相手に対するリスペクトが素晴らしい!と称賛される民族であり、それが日本人の魅力だと外国の方に言われる。
しかし、昨今のSNS内の議論の中で意見の違う人に対する態度にリスペクトがない人が多くいて、とても残念である。
他人に対するリスペクトがない人は、自分も尊重できない残念な人間であり、日本人が伝統的に持っている相手を尊重する心は決して忘れるべきではない。”
他人に対するリスペクトがない人は自分も尊重できない – YouTube
と語っており、相手を尊重する大切さは日本人であることを外しても、人間としてあるべき心得の一つですね。
自分の良い面を知っている
短所は長所であることを自己肯定感の高い人は知っています。
たとえば
短 所 | 長 所 |
頑固 | 芯が強い |
マイペース | 落ち着いて行動できる |
おせっかい | 面倒見がよい |
諦めが悪い | 忍耐力がある |
など、物は考えよう・受け取りようで、物事は捉え方しだいで短所にも長所にもなります。
プライドが高くなる理由
人より優れていることで誇りを感じ、高い能力が発揮されて自信が持てます。
プライドを持つことは決して悪いことではなく、むしろ信念のある行動力になります。
また、自分の能力に対する過信、驕り(おごり)の意味もあり、これらは常に自分が正しいと思いこませます。
プライドが高くなる理由はさまざまです。
- 実は自分の弱さを隠したい
- 自分に自信がない
- 人に頼れない
- 素直になれない
- 良いプライドと悪いプライドが存在する
実は自分の弱さを隠したい
自己肯定感とプライドには、自分を守るという共通の目的があります。
- 自己肯定感⇒ありのままの自分を認めている
- プライド ⇒価値の高い自分を認めている
自己肯定感が高い人であれば、自分の弱い部分も認められるので、周りからの否定的な言動に対して気にせずにスルーできます。
自分は他人よりも優れていなければならないので、見栄を張る、負けず嫌いなので相手を見下し優越感に浸る、何気ない冗談でも馬鹿にされたと過剰に反応するのです。
これらの行動が弱い自分を隠すもの、つまりプライドです。
自分に自信がない
自己肯定感と自信が下がると、今度はそれをプライドで何とかしようとします。
何かにつけて自慢話をしたり、他人を見下す発言をする人は、自信がないのにプライドが高い人です。
自信はないけど、周りには認めてほしい、受け止めてほしいと強く思っていて、「自分はこんなにすごい人間なんだぞ!」とアピールして強がってしまうのです。
自分よりも弱い人をつくって比較し、自分の優位性をを保つことで心を安心させます。
自信がないので優劣や勝ち負けにこだわり、承認欲求も強い傾向にあります。
人に頼れない
プライドが高すぎると誰かに頼ることができません。
- 迷惑をかけてしまう
- 受け入れられないかも知れない
- 頼ると申し訳ない
- 頼ってはいけない・弱い人がすること
- 甘えられる状況を経験した事がない
とはいえ、一人でできることは限られているので、無理がたたりストレスが溜まってしまいます。
また、他人を頼らない事は自分も頼られることもないので、良好な人間関係は築きにくいでしょう。
素直になれない
なぜなら
- 本当の自分をさらけ出すのが苦手
- 素直になると相手より下の立場になる気がする
- 素直になることは自分の弱みがバレてしまう
- 見栄を張って他人に気持ちを見せられない
- 素直になって嫌な思いをした経験がある
という心理がはたらくからです。
素直になれないことはデメリットが多いです。
物事 | デメリット |
感謝された | 何か裏がある?と勘ぐり嬉しくない |
助言・アドバイスを受ける | 非難・否定された⇒相手に怒りを感じる |
ミスや失敗をした | 自分を正当化⇒言い訳をする・責任転嫁をする |
褒められた | 「ありがとう」を言えない⇒褒められる機会が減る |
良いプライド悪いプライドが存在する
プライドが高いという人には、みんなが憧れる素敵な人もいれば、ちょっとめんどくさいタイプの人もいます。
プライドには自身を高みに持っていく良いプライドと、周囲から信用を失ってしまう悪いプライドがあります。
はたしてあなたはどちらのプライドを持っていますか?
良いプライド=高い自己肯定感の土台の上に作られる
- 自尊心
- 誇り
- 自信
悪いプライド=低い自己肯定感の土台の上に作られる
- 見栄っぱり
- うぬぼれ
- 自己中心的
プライドを持つことは決して悪いことではありません。
むしろ、プライドの高い人はほかの人より優れていることを誇りに思っているため、信念も強く向上心が高く、チャレンジ精神が旺盛な人も多いです。
しかし、自己肯定感が低い上にプライドが高くなりすぎると自身を過大評価しすぎたり、周りが見えにくくなったりして、人間関係がこじれることもあります。
なぜ自己肯定感が低い人ほどプライドが高くなる?!
自己肯定感の低さとプライドの高さは相関関係にあります。
というよりも、自己肯定感の低さがプライドを高くしているのです。
自己防衛反応
叱られた時、恋人に振られてしまったとき、他人からバカにされた時などは誰でも落ち込んでしまいますが、落ち込んだままでくよくよしていては安寧な日々は送れませんよね?
心がネガティブな状態では仕事や学業に集中できず、良いパフォーマンスができなくなることはよくあることです。
本来、人間は心を強く持っている状態のほうが生産性を高く保てる性質を持っています。
落ち込んだり、マイナスの思考を持っている時(自己肯定感が低い状態)に、脳が自己を守ろうとして使うのがプライドです。
プライドとは、自分を否定しない、価値を無くさない、存在意義を見出すためのいわば自己防衛反応なのです。
自己肯定感が下がるとプライドで何とかする
そんな人は自己肯定感が低くても、好んで低くなりたいわけではないのです。
自己を肯定したくてもできない、でも自己を否定はしたくないという考えです。
つまり、心の中には自己否定しようとする自分と戦うもう一人の自分がいます。
この戦うもう一人の自分がプライドなのです。
プライドは、自分の価値や評価、存在意義を高め、まるで自尊心があるように振舞おうとしますが、実際には自己肯定感が低いために他者と比較して優劣を決めたり、自分は劣ってはいないと主張します。
結果、負けず嫌いで見栄っ張り、傲慢な態度をとるようになってしまいます。
他人を下げて自分を上げる
比較するものはいろいろあって、
- 収入や学歴、
- ルックス・見た目、
- 高額な所有物(車・洋服など)
- SNSのフォロワー数
など他人よりも優れている部分を見つけて優越感に浸ります。
また、相手の批判や悪口を言っておとしめたり、マウントを取ったり、人の手柄を自分の手柄のように報告したり。
なおかつ、プライドの高さにより激高したり、口が悪くなったりもします。
自己肯定感が低くプライドが高い性格を改善する方法
もしも「自己肯定感が低いのにプライドが高い自分がイヤだ!改善したい!」と思っているのなら、まず自己肯定感を高くすることが重要です。
自己承認欲求を満たす
自分では認められないが、誰かには認めて欲しいと思っています。
承認欲求を満たせれば、自己肯定感を高められる可能性が高いです。
承認欲求には、自己承認欲求と他者承認欲求があります。
承認欲求 | 自己承認欲求 | 自分を信じたい・能力を高めたい |
他者承認欲求 | 注目されたい・地位や名声が欲しい |
承認欲求を満たすことはとても重要で、自己肯定感が低いのにプライドが高いという性格を改善する方法です。
ただし、他者承認欲求を満たすのは今すぐできることではありませんし、相当の努力も必要になることは想像できます。
であればまずは、自己承認欲求を満たすことから始めればいいのです。
他人に認めてもらうよりも、自分が自分を認めてあげる(自己承認)ほうが自分1人でできるので容易でしょう。
自分が自分を認めるとはつまり
自分に自信を持つ |
ということです。
では、自分に自信を持つにはどうしたらよいのでしょう?
短所探しをやめる
しかし、自分の欠点や足りないところにどうしても目が行ってしまうので、ますます自信がなくなってしまうのです。
たとえば
- 早起きできた
- スキマ時間でトイレ掃除をした
- 電車で席をゆずってあげた
- 夕飯を作った
などの本当に小さな出来事で構いません。
自分のできたことを毎日記録していくだけで、自分はできると実感がわいてきて、少しずつ自信がついてくるでしょう。
自分の行動を振り返り、認めて褒めることは、自分を見つめることにもなり自分を知ることにもなります。
ポジティブな人と付き合う
感情はとても伝染しやすいものなので、逆にポジティブな人に接することで自分もポジティブ思考を持てるようになるでしょう。
ポジティブな人と関わることで、前向きな思考や、アイディアを持てたり、積極的な行動ができるようになったりします。
なにより、ポジティブな人は一緒にいて楽しいので、幸福感が持てますね。
他人と自分を比べるのをやめるのもおすすめです。
下記の記事も参考にしてみて下さいね!
ポジティブな言葉を使い続ける
同じように、自分が発する言葉もポジティブな言葉に変換するようにしましょう。
たとえば
ネガティブ言葉 | ポジティブ言葉 |
内気 | おしとやか |
キモイ | 個性的 |
暗い | 落ち着きがある |
計画性がない | 行動力がある |
仕事が遅い | 仕事が丁寧 |
優柔不断 | 深く考えられる |
物事はすべて表裏一体であり、個性もさまざまで受け取る側の都合で良し悪しを判断されるものです。
ただの思い込みが本物の前向き思考になり、自信が持てるようになるので、試す価値ありです。
ありのままの自分に価値がある
ポジティブ思考を持てるようになると、
あれ?結局は自己肯定感が低くてプライドが高い自分だけど、それも1つの個性じゃない?
と思えてくるでしょう。
そうなんです!
自己肯定感の低さを隠し、プライドを高く保つために多くの努力をしてきたであろうあなたには価値があるのです。
いまあなたは、「自己肯定感が低くプライドが高い自分がイヤだ」と気付きました。
あなたが、「イヤだ・ダメなところだ」と思っている部分に関して、「今はそう自分が思い込んでいるのだ」と少しずつ受け入れてみましょう。
そして、
それでもいいのだ、それが自分なのだ
と許してあげましょう。
そうです、これがまさに自己肯定感です。
自己肯定感が低いのにプライドが高くなるのはなぜ?!:まとめ
プライドの高さは自己肯定感の低さを隠し、自己否定を避けるための自己防衛反応です。
自己肯定感が低いのにプライドが高い人は
そんな自分がイヤだ!
と生きづらさを感じているとすれば、今はそう思い込んでいるだけ。
今まで生きてきた中で得た価値観(善悪・上下・勝ち負け)は表裏一体であり、ネガティブな言葉をポジティブな言葉に置きかえて発する習慣をつけると、いつの間にか自己肯定感は高まっていくでしょう。
大切なのは、まずは「自己肯定感が低くプライドの高い自分でもいいのだ」とありのままの自分を受け入れること。
良い、悪いではなく、それもまた自分の個性であり、「そうなんだ、これが自分なんだ」とシンプルに考えれば良いのです。
そして、自らを許せれば少しずつ自己肯定感は高くなっていくでしょう。
人は長い人生の中で、悩んだり苦しんだりして生きづらいと感じることがあります。
むしろ今は、自分をしっかりと見つめ精神的に成長できる良いチャンスなのです。
自己肯定感を持つには、生きがいを見つけるのもおすすめです。
下記の記事も参考にしてみて下さいね!
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