「物事に集中すること」は、仕事や勉強などいろいろな面において効率化を図るための大切なものです。
しかし、ストレス社会の今、ストレスが原因で集中ができなくて悩んでいる人もいます。
では、ストレスは全てが悪いものなのでしょうか。
答えはNOです。
適度なストレスは、良い効果をもたらすものも多く、決して全てのストレスが悪影響を及ぼすものではありません。
問題なのは、過度のストレス。
ストレスがキャパシティを超えてしまうと、脳や身体はベストな働きができなくなってしまうのです。
本記事では、そんなストレスを溜めがちな人の特徴やストレスを軽減させるための気の紛らわせ方などについて解説をしていきます。
ストレスが溜りがちな5つの人
しかし、最初から最後まで絶やすことなく集中できる人はいません。
人間の集中力の限界は90分といわれています。
2019年に日本大学の山崎明日香さんが発表した論文の39ページ目には
大学で行われている90分という講義時間は、受験生の生理的、身体的、また精神的な負担と疲労を感じる時間を超えた作業時間として設定されている。
とあります。
日本大学(講義時間中における休憩導入の効果について)
90分という長時間集中するのは、集中力が必要です。
そんな集中力に関係するのが自律神経です。
自律神経のバランスが崩れると、集中できず仕事や勉強の成果にも影響します。
自律神経のバランスは、ストレスや不規則な生活で簡単に崩れてしまいます。
ストレスを溜めすぎると、身体だけではなく心も疲れてしまい、集中できなくなってしまうのです。
では、どのような人がストレスを溜めやすいのでしょうか。
それぞれ見ていきましょう。
感情を抑え込んでしまう人
誰にも嫌われたくない
そんな思いがあるため、他人に愚痴をこぼさずに感情を抑えてしまいます。
常に気を張りつめているため、ストレスも人一倍溜め込みやすく、ある日突然心のバランスが崩れてしまいます。
特に人間関係にストレスを感じやすいので、注意が必要です。
責任感が強い人
私は頼られている、頑張ろう
などと、仕事を抱え込んでしまい、さらに他人への気配りも忘れないという結果から、ストレスを溜め込んでしまいます。
また後輩や同僚がミスをすると
失敗は自分の責任
自分を追い込んでしまいます。
過剰な責任を負って、ストレスを溜め過ぎてしまうことは、精神的・肉体的にもよくありません。
仕事を預けられて
自分のキャパシティを超えてるな
と感じたら、無理をせずに上司に相談するといいでしょう。
完璧主義者で真面目な人
そのため、ストレスも溜りやすいです。
また、目標を高く設定しがち。
失敗も怠けも嫌うため、疲れ果ててしまい、結局達成できずに燃え尽きてしまうこともあります。
また、達成できなかったことへの嫌悪感も感じやすく、メンタルヘルスへの影響も大きく、抑うつや不安症など、さまざまな不調を発症する原因にもなります。
常に気分が優れない、不安やイライラが無くならない、おかしいと感じたら、厚生労働省で発出している資料2ページ目に「うつ病の症状」が記載されていますので、チェックしてみるといいでしょう。
また「うつ病に負けない生活」も記載されていますので、参考にしてくださいね。
気を遣いすぎる人
とにかく、周りに嫌われたくないため、嫌われるのが嫌だからと、自分よりも先に他人を優先させてしまいます。
性格も優しいため、周りに落ち込む人がいれば放っておけません。
自分がこの人を助けたいという正義感が働いてしまい、何かと世話を焼いてしまいます。
周囲に気を遣って、困った人を助ける、疲れないはずがありません。
そのため、ストレス過多になりやすい傾向にあります。
好き嫌いの感情で他人を判断しやすい人
このタイプは、好意を寄せている人に頼まれた仕事は一生懸命やる反面、嫌いな仕事は他人に任せたり、一生懸命やらなかったりと、仕事のペースにも波がある場合が多いです。
そのため、仕事のしわ寄せが周囲にいくため、周囲もおもしろくありません。
仕事をしていれば、したくない仕事も回ってくることをきちんと認識し、自分勝手なわがままな態度を改めないと、自分だけではなく周囲にもストレスを与えることになります。
自分に厳しすぎる人もストレスが溜まりやすいです。
厳しすぎて対処法が分からない方は、下記記事も参考にして下さいね!
気が散ってしまう3つの原因
気が散ってしまう、集中できない原因については、ストレスが原因ということは先程記述しました。
では、ストレスにはどのようなものがあるのでしょうか。
厚生労働省の「職場におけるメンタルヘルス対策の推進について」の資料を見てみましょう。
引用:厚生労働省
資料には上記の結果が出ています。
資料を見ていただいて分かるように、ストレスには
- 仕事のストレス
- 個人的なストレス
- 仕事以外のストレス
などさまざまな原因があります。
それぞれ解説していきます。
仕事のストレス
完璧主義な場合は、目標を高くしすぎてしまうと先程解説をしました。
完璧主義者は、高い目標設定のために頑張りすぎてしまいます。
抱えている仕事には、期限が決まっているため焦りも生じ、ストレスから集中ができなくなってしまいます。
まずは、自分が抱えている仕事をリストアップして、どのようにしたら業務時間内に終えるかのスケジュールを立てましょう。
仕事が時間内に終えることができなければ、明らかに自分のキャパシティを超えている可能性が高いです。
先輩や同僚に手伝ってもらう、仕事の配分を上司に相談するなどして、周囲に助けを求めることも時には重要だということを学びましょう。
大切なのは、周囲の評価が一番ではなく、どうすれば効率よく高い結果を残せるかです。
個人的なストレス
個人的なストレスとして挙げられますが
- 机上の環境が整っていない
- 家族の影響
- 生活習慣の乱れ
などさまざまな理由があります。
机上の環境が整っていない
仕事に必要な書類や資料、いつか必要になると思っていて購入した本などを机に積み上げる癖はありませんか。
机の上が汚いと、集中力が途切れやすいため、今机上が散らかっているのであれば、片付けましょう。
理由は、脳は目に入るものを情報として取り入れ、処理しようとするからです。
机が汚くて、放置されている資料が多ければ多いほど、脳は無意識に処理をするため、必要以上にストレスを感じ、疲れてしまいます。
少しでも仕事でのストレスを軽減させたいのであれば、まず仕事机を片付けましょう。
家族の影響
最近増えている在宅勤務。
例えば
- パートナーが食器を洗う音や、家事の生活音が気になる
- 仕事中に話しかけられる
- 子供が乱入してくる
など理由はさまざま。
パートナーの方も、仕事中だからと気を遣っているかもしれませんが、声をかけなければならない場面もあるため、無音というのは難しいでしょう。
また、子供がいた場合、仕事中に乱入して来ることもしばしば。
とにかく仕事に集中できず、効率もよくないためストレスになってしまいます。
生活習慣の乱れ
生活習慣は健康に大きく関係しています。
生活習慣が乱れると体にも異常をきたします。
代表的な症状は
- 内臓脂肪型肥満
- 過敏性腸症候群
の2種類です。
いずれも生活習慣の乱れから発症するもので、忙しくて食事を抜いたり、睡眠時間を削ったりすることで生まれるストレスが原因とされています。
少しでも健康的な生活が送れるよう、休憩を挟むなどして生活リズムを整える努力をしましょう。
仕事以外の要因
抱えている仕事以外にも、職場の環境が影響して、集中できない場合もあります。
例えば
- 職場がうるさい
- 人間関係に問題がある
などが挙げられます。
仕事を一生懸命やりたくても、環境が原因で気が散ってしまうことも珍しくありません。
それぞれ解説します。
職場がうるさい
例えば、会社の立地。
- 工場が近くにある
- 駅が近い
- 近くで工事をしている
などです。
立地による騒音は、工事以外は常に生じるもの。
逃げようがありません。
上記の他にも、雑談が多い場合も同じことがいえます。
横で雑談が始まって30分、長い人であれば1時間くらい平気で話している人もいますよね。
こっちは忙しいのに、話すぐらいなら手伝ってほしい
などと、ついイライラしてしまいます。
特に、人の話し声は、工場や工事の騒音よりも気になる傾向にあります。
忙しい時に横で数時間世間話をされれば、何を話しているのかも気になり、集中力は途切れ、ストレスもピークになることも。
同じ職場のため、簡単に注意できないのが歯痒くなります。
仕事の効率化を図るのであれば、各机に仕切りを設けたりしてもらえるよう上司に相談するなど、仕事をする環境を整えることが大切です。
人間関係に問題がある
職場でで1日の大半を過ごす人は多いでしょう。
せっかく苦労して入社した会社でも、人間関係が悪ければ出社するのも苦しくなってしまうでしょう。
引用:調査シリーズNo.164『若年者の離職状況と離職後のキャリア形成(若年者の能力開発と職場への定着に関する調査)|労働政策研究・研修機構(JILPT)』
人間関係の悪化は、ストレスの原因になるだけではなく、仕事への意欲も削いでしまいます。
人間関係の悩みは、実際に目に見えるものではないため、自分にも周囲にも分かりずらく、そのままうつ病を患うこともあるほどです。
人間関係に悩んだら、1人で抱え込むことなく、まず上司や同僚に相談しましょう。
気を紛らわせる5つの方法
仕事でストレスを抱え込んだままにすると、仕事とプライベート両方に大きく影響します。
ストレスを放置すると、せっかくの休みにも
仕事のことで頭がいっぱいで全く休めなかった
なんてことも。
そうならないように、日常的に自分に合った気の紛らわせ方を見つけておく必要があります。
ここでは、誰でも簡単にできるストレスを感じた時の気の紛らわせ方を解説します。
体を動かす
運動って、着替えとかするし、外に出るしで面倒
と思う方もいるかもしれません。
しかし、特に勝ち負けを競う必要もありませんし、身体に負担をかけるような激しい運動をする必要もありません。
走るのが苦手であれば、ウォーキングでも十分ですし、外に出るのが億劫であれば、家で軽いストレッチを取り入れるのもいいでしょう。
特に、ウォーキングやサイクリングなどの同じリズムを反復する運動は、心を穏やかにしてくれる神経伝達物質「セロトニン」の分泌が高まるため、おすすめな運動方法です。
太陽を浴びることもセロトニンの分泌を活性化します。
太陽の下でリズム運動をすると、高いリラックス効果を得られるためおすすめです。
泣けるドラマや映画を観る
泣いてスッキリした経験はありませんか。
泣けるドラマや映画で大泣きしたあとスッキリしているのには、そういった理由があります。
辛いことがあった時やストレスが溜まってどうしようもない時に泣くことを我慢していることは、交感神経を優位にしている状態です。
放っておくと、さらにストレスが溜ってしまいます。
誰かと話をする
自分の悩みや愚痴を聞いてくれる友人や同僚はいますか。
1人で悩むと、行動が暴走してしまったり、悪い方向に考えてしまったり、いいことはありません。
仲の友人でもいいですし、気の合う同僚でも構いません。
自分の気持ちを吐き出してしまいましょう。
ただし、毎回愚痴や悩みばかり聞いてもらっていると、相手が疲れてしまうため、適度に話すようにしましょう。
話し相手がいないことも、ストレスの原因の1つになっていることもあります。
「話す人がいなくて寂しい」と思っている方は、下記記事も参考にして下さい。
大声を出す
スポーツ観戦などで大声を出してスッキリした経験はありませんか。
大声を出したあと、スッキリするのはこのためです。
しかし、家や外などで大きな声を出すと、周りも迷惑ですし、最悪暴れていると勘違いされ警察に通報されてしまうかもしれません。
そうならないためにも、大声を出す場所は選びましょう。
例えば、最近ではあたり前になっている1人カラオケ。
部屋にも防音措置がされているため、大きな声で叫ぼうが思いの丈を叫ぼうが、誰も気にしません。
また、好きなアーティストのライブやコンサートもおすすめです。
ぜひ「自分の好き」で気分をリフレッシュさせて下さいね。
音楽を聴く
音楽には「癒し」の効果があります。
おすすめなのは、ゆっくりとしたクラシックやヒーリングミュージックです。
流しておくだけで、自然とストレスが軽減していることもあります。
自分が好きなアーティストの音楽を流すことも、ストレスを和らげることができるためおすすめです。
時間がなくて、なかなか聞けない音楽ですが、お風呂に入っている時や寝る前の少しの時間に音楽を流してリラックス気分を味わってみてはいかがでしょうか。
気を紛らわせる方法:まとめ
仕事をする上で、ストレスを全く感じない人はいません。
大切なのは、ストレスと今後どのように付き合っていくかです。
自分に合った「ストレスを感じた時の気の紛らわせ方」を見つけて、上手に付き合っていきましょう。
リフレッシュ方法は、本当に些細なものでも大丈夫なので、やってみて「ストレスが軽減された気がする」のであれば続けて下さい。
些細なものでも、毎日の積み重ねが、溜ったストレスと上手に付き合う秘訣になるでしょう。
コメント